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左側尿管異常開口に於ける尿管膀胱移植術の1例
宮川 忠弘
1
1東青病院外科
pp.165-168
発行日 1955年3月1日
Published Date 1955/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201387
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尿管異常開口は腎臟畸形或は発育不全腎に合併していることが甚だ多い。小林,大森,佐々田氏等は昭和27年,36例を蒐めているが,その中に発育不全腎が12例,附着腎が9例,重複腎が2例認められている。井田氏は昭和29年,非過剰尿管膀胱外開口16例を蒐め,之に自已の1例を追加しているが,その大多数に於て発育不全腎を認めている。私は最近左側尿管腟穹窿部開口の患者に於て,相当量の尿漏出が認められているに拘はらず,腎盂撮影法,気後腹膜法を行いたるも左腎を明らかにせず,手術によつて発育不全腎なることを確かめたが,尚腎機能が保持されて居り,然も何等それによると思わるる他の障碍を認めなかつたので尿管膀胱移植術を施行し,所期の目的を達したので茲に報告する。
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