--------------------
先天性表皮水疱症に對する異性ホルモン療法
宮本 利策
1
,
井手 次郎
1
,
松下 克己
1
1日本赤十字中央病院皮膚泌尿器科
pp.722-725
発行日 1954年12月1日
Published Date 1954/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201320
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.緒言
1870年Hebra氏がWienに於てerblicherPemphigusなる病名の下に先天性表皮水疱症に類似の症例を発表し,其後1882年Goldscheider氏によつてAkantholysis bullosaとして独立疾患として記載された。爾来本症には数多くの異名を附せられて居るが,今日最も一般的に用ひられる名称は1886年にKöbner氏の提唱したるEpidermolysis bullosa hereditariaである。その後1898年Hallopeau氏は本症をla formebulleuse simpleとla forme bulleuse et dis-trophiqueに分類した。我国に於ては比較的稀有なる疾患で1901年土肥慶蔵氏が本症を先天性表皮水疱疹として第1回皮膚科学会に於て報告したるを嚆矢として以来現在迄約100例の報告に接する。最近私達は栄養障碍型の本症の1例を経験し之に局所療法に併せて異性ホルモン療法を行つた処,顕著なる効果を認めたのでその概要を報告する。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.