皮膚科図譜・42・43
稽留性肢端皮膚炎/レイノー樣症状を伴える慢性円板状エリテマトーデス
姉小路 公久
1
1東大皮膚科
pp.561-562
発行日 1954年10月1日
Published Date 1954/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201275
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41歳,女。12歳頃左拇指に外傷,同もなくその爪肥厚,爪床化膿し,爪は脱落した。23歳頃左右示指の爪が凹凸不平となり,爪床化膿,爪甲脱落した。28歳頃更に他の2,3の指に同様の変化が起つたが,当時は未だ指の運動障碍はなかつた。以上は夫々一度は全治したのだが,31歳頃から2,3の指に発赤と膿疱が現われ,夏増悪,冬軽快するも全冶はせず毎年増悪を繰返すうちに変化は手掌,手背に及び,又34歳頃外陰に,37歳頃両側腰部及び左腋窩に,夫々境昇比較的鮮明な発赤面が現われ,膿疱を生じ結痂するに至つた。本年3月頃から足趾に手指と同様の爪の変化,その周囲の発赤,膿疱の形成を見るようになつた。皮膚現症として爪甲の脱落,上記各部位の発赤,膿疱,痂皮形成。手指に運動障碍。組織学的に表皮内に膿疱形成され,その内部に多核白血球浸潤する。乳頭下層に血管周囲性円形細胞浸潤。膿疱より培養するも無菌。
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