--------------------
最近に於ける淋疾治癒判定者についての観察
田中 英
1
1東京都立吉原病院
pp.310-313
発行日 1954年5月1日
Published Date 1954/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201208
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
淋疾の治療が局所療法に限局され,又は之と併行して全身療法が行われていた時代には淋菌の消失は勿論,その症状の恢復にかなりの時日を要したため,尿道炎症状等の残存は治癒後に於ては考慮する必要がなかつたのであるが戦後に於けるPenicillin以後の新抗生物質の登場による抗生物質療法の確立は,Prontsilに始まるSulfa剤の進歩発展と相俟つて,淋疾の治療面に於ても専ら全身療法に頼り,局所療法は放棄されたかの状態になつたため,淋菌の消失が早いこと,従つて治療期間が短いという特徴はあるが屡々淋疾後カタルとして尿道炎症状の遺存する場合が多い。
従つて,之が治癒か慢性への移行かの判定はかなり患者を困惑させている様である。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.