Urological Letter
一過性直腸(神経)痛(Proctalgia Fugau)/男子淋疾の古い治癒判定法
pp.148,171
発行日 1982年2月20日
Published Date 1982/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203297
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一過性直腸痛とは直腸下部の一過性の疼痛と定義されている。しかし,それほど一過性でないこともあり,痛みは確かなのだが直腸ではないこともある。この原因は不明であるが,しばしば情緒的な問題に帰せられている。これは一般に大腸・肛門病専門医の領分と考えられているが,泌尿器科医に自分で来たり,紹介されてくることもまれではない。
古くから言われているところでは,かすかな鈍い前兆的な痛みが直腸膨大部全体に起こり始める。それが速やかに強くなり,激痛になることもある。男性の場合は排便すればよいのか,排尿か射精をすればよいのかわからないが何かをしたい欲望に駆られる。一般に,関連した,いやむしろ原因と考えられる筋肉の痙攣が想定されているけれども,発作中の直腸検査で,とくに直腸鏡検査でも括約筋や直腸筋の実際の痙攣があるという証拠は一つも掴めなかつた。発作中に患者はしばしば排尿することができるし,その排尿も完全に行われることがある。一般に前立腺の所見と本症とは関係がない。発作の頻度はまれなことがあり,しかも何カ月ものインターバルがあることもあるが,一連となつて頻繁に起こることもある。発作は便秘のあととか,性交のあと,あるいは何の前ぶれもなくまつたく突然に起こることもある。時には発作のために患者は眠りから起こされることもある。
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