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逆性石鹸(Triphenyl dodecyl phosphonium bromid)を含有する皮膚糸状菌症治療劑の臨床經驗
川村 太郎
1
,
河崎屋 三郎
1
,
近 小彌太
1
1金澤大學醫學部皮泌科教室
pp.74-77
発行日 1954年2月1日
Published Date 1954/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201145
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Triphenyl dodecyl phosphonium bromid即ちlauryl Triphenyl phosphonium bromid(以下1.t.p.b.と省略)は下記の構造式を有する逆性石鹸の一種で,現時廣く行われている逆性石鹸のアムモニウム鹽であるのと異りホスホニウム鹽である。
1.t.p.b.は逆性石鹸の一般の如く上記P-Brの結合に於て電離し,その比較的高分子量の陽イオンは蛋白質と難溶性鹽を形成することによつて微生物を不活性化する。1.t.p.b.の抗眞菌性はJ.Kimmig(1950)に依つて注目されたが,本邦に於ける田沼・黑田・中村氏の追試成績に依れば,その試驗管内殺菌作用の限界は猩紅色菌:40.000倍,趾間菌:10.000倍及び鷲口瘡菌:10.000倍に及ぶ。
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