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消毒藥としての逆性石鹸(其1)
增山 忠俊
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1國立豫防衞生研究所消毒藥檢定室
pp.11-19
発行日 1952年3月15日
Published Date 1952/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201005
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緒論
消毒藥を取扱う人々の眞先に考える事は其消毒藥の性状である。又性状には諸々の條項が言われているが,吾人の最關心を持つものとしては謂所安定度1)である。吾等の言の所の安定度とは消毒藥が種々のMediumの中で其殺菌效力の變動を來たさない事を言う。即ち具體的に言うと蒸留水中の試驗即ち基礎實驗に於ける殺菌效力も糞便加實驗に於ける成績も將又有機物實驗,或は硬水中に於ける成績も餘り變動を來たさないものを言うのである。之は一寸簡單に見えるが仲々難しい事で極端なのは鹽素剤で極少量の有機物添加でも勿ち其殺菌效力は激減してしまう。一般に種々の有機消毒剤の石鹸液の如きはEmulsoidであるので糞便添加等では吸着等のphysico-chemicalな條件に大きく影響されて殺菌效力が低下するものが多い。
是等安定度を大ならしめるにはどうしたらよいであろうか。多くの消毒藥研究者及び消毒藥製造家の苦心する所である。
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