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Eppinger以來肝硬變症に於て注目せられているVascular spiderに就て
西原 勝雄
1
,
冨 和
2
1金澤大學醫學部皮膚泌尿器科學教室
2江沼病院皮膚泌尿器科
pp.543-545
発行日 1953年9月1日
Published Date 1953/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201039
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緒言
蜘蛛状の皮膚毛細管擴張が肝硬變症に極めて特徴的な病變であることに注目され掛したのは極く近年であるが,それはEppingerが1937年出版のその著書Die Leberkrankheitenに於て着色圖譜と共に簡單に記載したのに始る,その後Cico-vackiはその重要性を強調すると共に,その本態をより精密に系統的に研究した。一方米國でも,Patek或はBean等が獨自の立場からその發生病理,組織學その他詳細な検索を行つた。VascularSpiderなる呼稱はこの2人によるもので,以來最も多く使われて居る語である。また本邦では九大の操教授或は長大の故角尾學長などによつて紹介され,更に1950年東大沖中内科の中尾助教授及び豊倉氏が3例の症例に詳細な綜説を加えた論文を發表して居る。
ここに報告する患者は,肝硬變症の診斷をうけ江沼病院に入院中,演者の1人富が診察,金大皮泌科に紹介したものである。
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