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膀胱後部腫瘍の2例—精嚢腺癌例及び細網肉腫症例
伊藤 秦二
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1新潟大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.220-224
発行日 1953年4月1日
Published Date 1953/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200949
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體表からも遠く隔たり,又身體の重要な通路である尿路や腸管にも直面しない膀胱後腔から發生する諸種の腫瘍は,恰も裏町の火事の如く,早期發見が困難であり,症状が現れる頃には原發部位の詳細を知り又根治手術を施すには餘りに廣汎に擴つているという點に於て,且つその症状,診斷に於て多くは下部尿路に關聯するという點に於て實際的には膀胱後部腫瘍という一つの範疇に入れられるべき腫瘍群であると考えられる。そうしてこういう範疇に含まれるべきものには精嚢腺の腫瘍,Youngの記載に見られる樣な膀胱後部肉腫などが擧げられる。
私は最近この膀胱後部腫瘍というべき2症例を經驗したのでこゝに報告する。
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