--------------------
間歇型腎臓水腫の一徴候に就て
石神 囊次
1
1京都大學醫學部泌尿器科教室
pp.216-219
発行日 1953年4月1日
Published Date 1953/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200948
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1 緒言
間歇型腎臓水腫に就ては古來數多くの報告が見られ,特にその成因に關しては,Nekehorn以來種々の論爭が行われている事は衆知の事實である。その臨床症状に就てもA.Lichtenberg,落合等の詳細な報告が見られる。
然し本症の診斷を術前に決定する事は必ずしも容易ではない。その定型的疝痛發作は往々尿路結石と誤られやすく,又觸診による腎腫大,及び腎盂陰影缺如を伴うX線像からは腎惡性腫瘍との鑑別が困難となる。更に血尿を伴つた場合には益々診斷は決定し難い。余も先に腰部の發作性疼痛以外に何等の他覺的所見をも缺いた女子に於て,術後初めて血管異常による間歇型腎臓水腫なる事を知り得た1例を報告した。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.