--------------------
狼瘡癌の1例
宗像 醇
1
1日本醫科大學皮膚科教室
pp.150-154
発行日 1953年3月1日
Published Date 1953/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200929
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
尋常性狼瘡の合併症として擧げられているものの中に癌があるが,この狼瘡癌に關しては1857年Devergieの報告以來外國文献に多くみられ,1901年蘆原は氏の論文中に自己の2例を加え126例を集録して綜説的に述べている。以後Jadassohn(1910),Bargues(1910),Silberstein(1915),Jordan,A(1930),尼ケ崎(1935)及び福田(1943)等各々自家症例を加え主として統計的觀察又は綜説を試みている。而してそれ等の症例の多くは外國文献に表われたものであり,Devergieの報告以來500例以上に上つている。然るに本邦人に現われた狼瘡癌は,文献上にみられるものは尼ケ崎等の9例であり,(1940年福家は以上の外にロシヤ人男子の1例を報告している)外國の例數に比較して實に寥々たるものがある。私も狼瘡癌の1例を經驗したので報告する。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.