--------------------
膀胱憩室手術に就いて
藤田 幸雄
1
,
西原 勝雄
1
,
上出 二郞
1
1金澤醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.691-696
発行日 1952年12月1日
Published Date 1952/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200864
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.緒言
膀胱憩室は吾々臨床家が排尿困難,尿意頻数,膀胱部疼痛乃至不快感等を訴える患者に於いて,通常の泌尿器的検査の間に發見されるものである。本症は比較的稀に見らるゝとは謂へ,歐米に於いては既にDurrieux(118例),Hinman(228例,Legueu及びPapin(138例),Gayet及びGauthier(122例),Hyman(123例),Jadd及びScholl(133例),Lower及びHiggins(110例),Lasio(123例),Lurz(1416例),Schacht及びCrenschaw(561例),Lowesr(151例),Kretsc-hmer(236例),Babics(117例)等を初めとして其他多くの報告が行われており,又本邦に於いても64名の報告者に依り97例が報告されておる。
從來歐米に於いては頻りに憩室剔除術が本症治療法として行われて居るにも拘らず,本邦報告患者97例中憩室剔除術を施されたもののは北川(淏),北川(正),大塚,加藤,土屋,小堀,田那村,山之内,本幡,堀口,西原(本報第1例),鹽澤,若木氏等の各1例,久保山,大島,林,落合氏等の各2例計22例(22.6%)に過ぎない。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.