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顔面皮膚癌のRadon Gold Seed治驗例追加
大森 亮潮
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1東京大學醫學部皮膚科教室
pp.335-336
発行日 1952年7月1日
Published Date 1952/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200757
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さきに我が教室から,福代—仁木—藤国は顏面棘細胞癌のRadon Gold Seed治驗例2例を報告した。(臨床皮泌,4巻,2號,60頁,昭和25年)。その後我々はまた1例,これは顏面基底細胞癌に同じくRadon Gold Seedを使用して効果を擧げ,且つその間組織所見の,この治療に因る變化を追求したので,こゝにこれを追加報告する。
症例:66歳の男子。初診,昭和26年6月10日。母肺臟癌,父方の伯母食道癌で死亡,患者は生來健康であつたが,日露役に從軍中マラリア,チフス,及び赤痢に罹患した。約30年前,即ち35,6歳の頃から鼻前庭部に疣贅樣の小隆起が存在し,15年前某醫の手で腐蝕,除去されたが,肉芽の形成不良で,完全に瘢痕治癒することなく5,6年を經過,その後電無治療?1ヵ月で中央に小瘻孔を殘して,一先づ表皮形成した。然るに約5年前この瘻孔を中心に潰瘍を生じ,その後次第に増大して初診時に至つた。
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