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2,3皮膚疾患に對するメチオニン製劑の應用
前田 明
1
,
幹 滋
1
1京都府立醫科大學皮膚泌尿器科學教室
pp.607-611
発行日 1951年12月1日
Published Date 1951/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200641
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緒言
Mueller1)は1929年Caseinの加水分解産物中よりSを含むアミノ酸の發見を報告し,1925年Odake2)は酵母エキスからMuellerのアミノ酸と同性質の結晶性物質の分離に成功し,BargerとCoyne3)は之の化合物を合成し,之をMethion-ineと命名した。次でJackson and Block4),,Weichselbaum5),Rose6),Beach and White7)等の諸氏によりMethionineは必須アミノ酸であり,動物の生存上不可缺のものとしてその榮養的效果,解毒物作用,並びに抗脂肪肝作用等が實驗研究されると共に,肝臟疾患に對する臨床的效果が確かめられて來た。乃ちBeam8)等は肝臓の代償不能に陥つた患者にMethionineを經口的に使用し症状の輕快せるを認め,Morrison9)は肝硬變症にMethionineを高蛋白食,低脂肪食,ビタミンB複合體と共に投與し本症を治癒せしめ得たと報告している。本邦に於ても杉林10),福島11),藤田12),等により其の著效が認められている。
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