泌尿器科圖譜・5
4000を算した多發性腎結石
三浦 俊夫
1
1慶大
pp.342
発行日 1951年8月1日
Published Date 1951/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200554
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29歳男,會社員。同胞の1名は膽石症で死亡。既往1942年外地でマラリア。1947年痔核。1943年頃より行軍その他筋作業乃至體動に伴つて屡々赤色尿を認める事あり,近くは1年前登山時にも赤色尿を認めたが苦痛なき爲醫療は受けなかつた。1950年6月當科に於て第1圖に見る如く左腎部に結石像を認めた。尿はPH=5.7,赤血球陽性,細菌陰性。患側のインヂゴカルミン排泄は殆んど正常。9月8日腎摘。腎は11.5×6×5.5cm 178g(紅石共)で,上方の圓い2個の結石は擴張した結杯中に在つて可動性であるのに反し,下方の不規則な陰影を示せるものは,腎杯に密に嵌入せる1個の樹枝状結石(3.4×3.3×1.6cm, 10.3g)と,その外下方にかたく詰つた多數の小結石とであつた。第2圖に見る如く,肉眼で數え得たもののみで合計4.114個を算し,分析により燐酸,蓚酸及び尿酸鹽を證明術後は順調で3週後退院。當時の血清中カルシウム量は9.8mg/dl.其後8カ月を經た現在健康である。
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