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蟲蝕樣皮膚萎縮症の病理知見補遺
鳥山 悌
1
1東北大學醫學部皮膚科教室
pp.73-76
発行日 1950年2月1日
Published Date 1950/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200313
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蟲蝕樣皮膚萎縮症Atrophodermia vermiculataは頗る稀有なる疾患で,Ulerythema acneiforme(Unna 1889),Acné vermoulante(Brocq-Besnier-Thibierge 1900),Folliculitis ulerythematosareticularis(Mackee o. Parounagian)等樣々の名稱で報告されたものが,1920年DarierによりAtrophodermia vermiculata(以下At. v.と略す)と命名されてよりは以後歐州にては大體この病名で報告され,米國ではMackeeの命名せるFollieulitis ulerytoemathsa reticularisなる病名で報告されることが多く,1940年に至る迄外國文献にて約40例近く報告され,本邦にては昭和6年金澤地方會にて田中氏が1例,昭和16年桐島氏が1例を報告されたゞけのように思われる.
諸報告例を通覽するに本症一般に通じる特徴は凡ね思春期以前の若年者の頬部に左右對稱性に集簇性に發現する微小なる萎縮陥渡斑である.この膚膜變化を基礎として之に面皰,毛嚢炎,紅斑,細血管擴張等の合併の有無が論義され,Oppenheim,Goldberg,桐島氏等が本症を臨床的に3-4型に分類した所以である.
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