Japanese
English
特集 吐血と下血
綜説
止血剤に関する知見補遺
Supplements on clinical findings of Haemosyptica
円山 一郞
1
,
秋山 実
1
Ichino MARUYAMA
1
,
Minoru AKIYAMA
1
1大阪市立東市民病院外科
1Surgical Dept., OSAKA HIGASHI MUNIC: IPAL HOSPITAL
pp.989-991
発行日 1956年12月25日
Published Date 1956/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201899
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そもそも止血剤を使用するに当つては,先ずその作用機序を熟知すると共に止血機構に関しその概念を知つておくことが必要である.即ち止血には1.血液凝固機構2.血小板の機能3.血管系の反応の3つの機構が関与し,これ等が互に協力して始めて止血が行われるものと考えられている.尚このことは出血傾向を有する者は1.血小板の減少を主とせる群2.毛細血管抵抗減弱を主とせる群3.凝固機構の変化を主とせる群4.その何れにも属しない群に分類されると云う吉植氏の研究成果からみても明らかなところである.然るに止血剤に於ては血液凝固機構に関与するものは数多く現われ,広く用いられているが,その他の機構に関与するものは僅かに存するにすぎない現状である.この時に当りAdrenochromazoneなる強力な止血作用を有する血管強化剤が現われ,これに関する報告が内外より多数に発表されているので,私共はこの製剤たるアドクノンと従来より常用されているトロムボゲン,カチーフ等とにつき出血時間,血液凝固時間,皮膚毛細血管抵抗力等の点より比較検討し,2,3興味ある所見を得たので茲に報告する.
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