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偏側腎缺損症に於ける尿管膀胱外開口に關する知見
飯田 康衞
1,2
1日本醫科大學泌尿器科教室
2日本醫科大學第3醫院皮膚科泌尿器科
pp.69-72
発行日 1950年2月1日
Published Date 1950/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200312
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1緒論
偏側腎缺損症に於て患側遺殘尿管は時に異常開口を示す.このような症例に關する臨床的意義に就いては從來詳細な檢索がなされていないようである.それは,偏側腎缺損症そのものが生前臨床的に發見されることが極めて稀であることと,臨床的に診斷を下し得た場合でも遺殘尿管まで追求するには生體では檢索上の困難を伴うこととに原因する.
偏側腎缺損症の本邦全報告例は僅かに15例(發育不全腎を合するも尚30例以内)にして,且つその過半數が剖檢例である.飜つて尿管の膀胱外開口に關する本邦全報告例30例をみるに(1),患側腎缺損を合併せる症例は1例もない.從つて,著者が最近經驗せる偏側腎缺損—遺殘尿管膀胱外開口の1例は單に發生學上の興味を提供するのみなら.す,臨床的にも寔に貴重な症例と言うべく,こゝにその檢索成積に併せて2,3の卑見を述べたい.
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