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靈菌屬の一種に依る下腿潰瘍の1例
池上 二郎
1
1新潟醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.450-452
発行日 1949年11月1日
Published Date 1949/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200263
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緒言
下腿潰瘍並に之に類する潰瘍は多くの臨床家の度々遭遇する疾患で古來此の疾患に對する研索も多くの學者に依りなされており病名も種々なる名稱を與えているが總括的に見るに本病は1926年Hoffmann, Zürhelle u.Klein氏等が命名した乳嘴状潰瘍性膿皮症が大多數の如くである.抑も本病は前述の如くHoffmann氏等により命名された疾患であるがそれ以前にAnthony, Boselli-ni氏等に依り之と同一疾患と思われるものが報告されている.本邦に於ても土肥章司氏外多數の人人に依り報告されている.
本症は外傷,皮疹に續發し皮膚の露出部に好發する疾患にして恰も釀母菌性皮膚疾患又は疣状性皮膚結核を思わしめるものにして表在性膿瘍と乳嘴状増殖を以て進行する慢性疾患である.年齡的には高齡の男子に多く年少者には稀依して病原菌も葡萄状球菌が最も多く他に蓮鎖状球菌,双球菌,大腸菌,スピロヘータが擧げられている.
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