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Cephalosporiosisの1例—新種Cephalosporium arcuatumによる爪疾患
高橋 吉定
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1東京大學醫學部附屬醫院分院
pp.282-286
発行日 1949年7月1日
Published Date 1949/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200213
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CephalosporiosisとはCephalosporiumに屬する糸状菌によつておこる疾患に與えられた名稱である.本症は1918年に始めてBou her1)によつてアフリカに於て發見されたが,そののち次第にヨーロッパ,南及び北アメリカのみならず,わが,國に於ても見出され,局地的の疾患ではなくて,世界各地に存在することが明かになつた.この糸状菌病について特にわれわれの興味をひくのは,從來の報告例を通じて,その症状が白癬に似ている場合が多いことである.著者が嘗て觀察した例2)も汗疱状白癬に甚だ似ていたのであつたが,こゝに述べようとする症例も爪白癬と臨牀的には區別することができなかつたものである.
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