--------------------
最近12年間に於ける我教室の性病の統計的觀察—特に近年に於ける性病の増加に就て
谷村 忠保
1
,
大島 知之
1
1大阪大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.152-156
発行日 1949年4月1日
Published Date 1949/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200174
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はしがき
終戰後殊に性病豫防法特例に基いて,性病患者の屈出の義務が實施せられて以來(昭和20年12月1日以降),2年有餘の間(昭和21年,22年及23年半頃迄)に於ける大阪府の性病の蔓延状況については先に我々(谷村・梶山・竹田津)は醫學誌上に其結果を發表したが,別に最近12年間(昭和11〜22年,1936〜47年)に於ける我教室の性病の統計的觀察を試みた.これによつて支那事變前より支那事變,大平洋戰爭,敗戰,敗戰後と順を追うて我教室を訪れた性病患者の消長を知り得,特に最近に於ける同患看の増加をうかがうことが出來る.之を更に余等の前記大阪地方に於ける性病の蔓延状態を調査した成績と併せ見る時は,大阪府下の近年に於ける性病の發生状況を知り得.今後の治療,豫防對策を講じる上に一指針を輿える資料ともならないかと考え,之を報告する次第である.
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.