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ブック氏類狼瘡の1例
籏野 倫
1
1慶應義塾大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.34-36
発行日 1949年1月1日
Published Date 1949/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200148
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緒言
類狼瘡は1899年Boeck氏が始めて「多發性良性皮膚類肉腫」なる名稱を以て發表し,後に1916年Boeck氏自らその名稱を「多發性良性類猿瘡」と改めその皮疹を小結節型,大結節型及び彌漫浸潤型の三型としたものである.本邦に於ては竹谷氏が1921年に報告以來.今日迄に40數例の發表報告がみられ,本症の組織學的所見が特有なる結核類似の所見を呈し,病寵より或は結核菌が發見されたと云はれ,或は證明されぬとのことから種々論議されてゐたが,本邦にては森山・渡邊兩氏が1928年初めて組織切片中に抗酸性菌を證明して以來,山崎氏は4例の病竈から人型結核菌を證明し,谷村・原田兩氏は1例の病竈から結核菌の培養に成功した今日では結核菌に依ることが明らかになつてゐる.當教室では,曩に田中氏が2例について報告したが,最近余も亦新たに1例を經驗したので茲に報告する.
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