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胃癌の皮膚轉移を併發したダリエー氏病の1例
西村 長應
1
,
出來 利夫
1
1和歌山縣立醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.239-242
発行日 1948年12月1日
Published Date 1948/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200132
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緒言
ダリエー氏病は,Darier及び其門下Thibaultによつて初めて系統的な記載が行われ,これと同時に米國に於てもWhiteによつてKeratosis follicularisと云ふ病名の下に發表せられ,その後相次いで内外共に可なり多數の症例が報告されてゐる.本邦に於ては,大正10年松本氏によつて初めて其1例が報告せられ,次で日高氏は本疾患に對する詳細な研究と統計的觀察を行つた.本邦に於ける報告例は現在迄40例以上に達してゐる.グリエー氏病に内臟癌腫の併發した症例報告は比較的少く,欧米に於てはFabry, Boeck,Buzzi及Miethke, Gron, Heiss及Squindo,Kreiblich等の記載があるが,本邦に於ては未だ其症例の記載がないやうである.更に本疾患に内臟癌腫の皮膚轉移を併發した症例は,内外共に非常に稀有なものと思われる.我々は最近著明なダリエー氏病に胃癌(膠樣癌)の皮膚轉移を併發した症例に遭遇したので簡單に記述したいと思ふ.
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