特集 循環器診療 薬のギモン—エキスパートに学ぶ薬物治療のテクニック
Ⅴ.肺高血圧症診療でのギモン
良くなったら薬をやめることはできるの?
波多野 将
1
1東京大学大学院医学系研究科重症心不全治療開発講座
pp.150-158
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200128
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Point
・肺動脈性肺高血圧症(PAH)は本来進行性の疾患なので,基本的には安易に治療薬の減量・中止をするべきではない.
・一方で,慢性血栓塞栓性肺高血圧症であれば,肺動脈血栓内膜摘除術や肺動脈バルーン形成術を行った後に治療薬の減量・中止を行うことは考慮してもよい.
・PAHの場合でも,薬物誘発性など肺高血圧症の増悪因子がはっきりしていて,かつその原因が排除されている状態であれば治療薬の減量・中止を行うことが可能な場合もあるが,実際に行うかどうかは個々の症例に応じて慎重に判断する必要があるとともに,その後の増悪がないかどうか十分な経過観察が必要である.
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