特集 循環器診療 薬のギモン—エキスパートに学ぶ薬物治療のテクニック
Ⅳ.不整脈診療でのギモン
VTでは薬剤の使い分けはあるの?
篠原 徹二
1
,
髙橋 尚彦
1
1大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座
pp.122-131
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200125
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Point
・VTを認めた場合は,そのときの血行動態が安定しているか否かによって対応が異なる.意識障害のある例や血行動態の不安定な例では迷わず直流通電を行い,VTを停止させた後にVTの再発抑制目的で抗不整脈薬の投与を行う.
・抗不整脈薬の多くは,心臓に対する陰性変力作用と催不整脈作用を有するので注意が必要である.これらの作用が少ない薬剤として,アミオダロン,ニフェカラント,リドカイン,ランジオロールなどがある.
・各抗不整脈薬特有の副作用にも注意が必要である.特に,アミオダロンによる間質性肺炎や甲状腺機能障害,ニフェカラントによるQT延長などに注意する.
・基礎心疾患がないVTを特発性心室頻拍と呼ぶ.代表的な頻拍として,左脚後枝領域心室頻拍(一般にベラパミル感受性心室頻拍と呼ばれる)と右室流出路起源心室頻拍があり,それぞれCa拮抗薬やβ遮断薬が有効である.
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