特集 呼吸器感染症のアンメットニーズを探る
序文
呼吸器感染症のアンメットニーズを探る
宮下 修行
1
1関西医科大学呼吸器感染症科
pp.458-459
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200679
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呼吸器感染症領域での最大のトピックスは,2019年に突如出現したSARS-CoV-2で,この短期間で世界の研究者の英知がCOVID-19を制圧しつつある.際だったのは,ワクチンと抗ウイルス薬の開発スピードで,2023年5月8日からの5類への移行の大きな要因となった.さらに,病態に基づく治療戦略が確立され,理論的な戦略が日常診療で実践されてきた.本特集号では,日常診療で難渋している疾患の「病態理論に基づく治療戦略」をまとめていただき,疑問解決のための一助となることを一番の目的とした.
現在はポスト・コロナ診療に移行しつつあるが,新たなパンデミックに備えなければならない.今回のパンデミックで学んだ教訓を次のパンデミックに生かす必要がある.中でも既存薬の応用は,トライ&エラーが繰り返され,ヒドロキシクロロキンやイベルメクチンなど,臨床的に無効な薬剤が使用されていた事実を忘れてはならない.本特集号ではCOVID-19治療薬に関するup to dateとともに,COVID-19に随伴または鑑別困難であった疾患に焦点をあてた.
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