特集 間質性肺炎 徹底討論!—鳥からは逃げられない過敏性肺炎,放置してよいのかILA
序文
小倉 高志
1
1神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科
pp.306-307
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200466
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間質性肺炎の領域は今熱い.その診断と治療は今,大きく変わってきており,本特集では注目すべきトピックを含めて,間質性肺炎についてあらゆる角度から,各分野の第一線の専門家に解説していただいた.
まず,診断においては,臨床医・放射線科医・病理医による間質性肺炎の集学的検討(MDD)について新井先生に解説していただいている.施設ごとでは必ずしもできないMDDであるが,現在,中央判定でMDDを提供するシステムが構築されつつあり,その実際を知っていただきたい(PROMISE試験UMIN000040678 代表:名古屋大学 橋本直純先生).さらに,CT検診で見つかるわずかな間質性陰影(ILA)も話題となっている.ILAは喫煙者の約7〜10%に認められ,一部は特発性肺線維症(IPF)に進行するといわれている.このILAについては,高齢者に多くARDSの原因になるといわれ,COVID-19の重症化との関連も推測されている.この管理についても議論があり,加藤先生に解説していただいた.以前ATSのセッションで「ゆりかごから墓場まで」というドキッとするILDのセッションがあったが,全年代に関係するILDについて半田先生に,新しい診断法であるクライオ生検については馬場先生に解説をいただいた.
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