特集 「咳嗽」と「喀痰」を診る
Ⅰ.総論
喀痰診療の原則
新海 正晴
1
1東京品川病院呼吸器内科
pp.382-385
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200157
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Point
・喀痰とは下気道から気道外に喀出された気道分泌物の総称であり,気道内に貯留した分泌物が咳嗽により気道外に排除される,生体防御反応の結果である.
・喀痰は,気道や肺の病態を反映する,非侵襲的に得られる臨床検体である.
・喀痰診療は,詳細な問診と喀痰の評価によって,喀痰の原因となる病態や疾患を明らかにすることから始まる.
・喀痰を用いた検査としては,細菌検査と細胞診検査が重要である.前者について,結核が少しでも疑われる場合は,一般細菌に加えて抗酸菌検査を実施する.
・治療の原則は,喀痰の原因となっている病態や疾患に対する治療を優先させることであり,それでも喀痰症状が残る場合は,喀痰治療薬を考慮する.
・喀痰治療薬としては,喀痰調整薬が最も頻用されている.喀痰の原因となっている病態や疾患,そして喀痰の性状によって使い分けることでより高い効果が期待できる.
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