特集 呼吸器画像診断—エキスパートの視点
Ⅱ.感染症,または感染症と鑑別すべき疾患
感染後器質化肺炎の画像所見の特徴は?
酒井 文和
1
1埼玉医科大学国際医療センター画像診断科
pp.36-40
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200005
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
・器質化病変自体は極めて非特異的な所見であり,多くの疾患に際してみられる.
・続発性器質化肺炎は,感染後や膠原病,有毒ガス吸入など多くの病態でみられる.感染後器質化肺炎もこの1つである.
・感染後の器質化肺炎は,肺炎の浸出物の吸収が何らかの機序で遅延し,浸出物が器質化して生じると考えられる.細菌やウイルス,マイコプラズマ,真菌など多くの病原体による肺炎でみられる.
・感染後器質化肺炎の局所の画像所見は,特発性器質化肺炎と変わるところはなく,容積減少を伴うconsolidationである.感染性肺炎に引き続いて器質化肺炎に至る経過が十分観察できる症例は少ない.
・限局性器質化肺炎は,臨床上肺癌との鑑別が問題になることが多い.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.