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連載 脳外科医に必要な臨床神経生理の基礎・1【新連載】
硬膜下電極刺激による脳機能マッピング
Functional Brain Mapping Detected by Cortical Stimulation Using Chronically Implanted Subdural Electrodes : Basic Knowledge of Clinical Nerve Physiology for Neurosurgeons
星田 徹
1
,
榊 寿右
2
Tohru HOSHIDA
1
,
Toshisuke SAKAKI
2
1奈良県立奈良病院救命救急センター
2奈良県立医科大学脳神経外科
1Critical Care Medical Center, Nara Prefectural Nara Hospital
2Department of Neurosurgery, Nara Medical University
キーワード:
motor area
,
language area
,
functional brain mapping
,
cortical stimulation
,
subdural electrode
Keyword:
motor area
,
language area
,
functional brain mapping
,
cortical stimulation
,
subdural electrode
pp.811-819
発行日 2003年7月10日
Published Date 2003/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902422
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I.脳機能マッピングの目的
脳機能マッピングは,覚醒下もしくは全身麻酔下での術中マッピングと,硬膜下電極を用いて病室で行う慢性頭蓋内マッピングとに分かれる3,5,6).前者は手術操作が1回で済むという大きな利点を有する反面,手術中という時間の制眼が大きくて十分な検索ができないまま手術を行うことになる.ここでは後者の慢性的な硬膜下電極刺激による脳機能マッピングについて述べる.
患者個人の脳機能を知ることが,病態の解明と手術治療戦略を考えるうえで重要である.これは術後の神経症状を最小限にして,てんかん焦点や脳腫瘍などの病変を最大限に摘出することにつながる.重要な脳機能部位としてOjemannらは,手の運動野と言語野であると述べている10).古典的な言語野であるBroca野やWernicke野は,患者個人により異なっている.側頭葉先端部の切除では機能障害が生じないとされていたが,最近では固有名詞の障害や,人物に関しての新しい学習ができなくなることが報告されている10,13)(Fig.1).さらに病態によっては,機能部位の偏位や移動が生じている12).術前に脳機能マッピングを行うことにより個々の脳機能部位を同定し,患者の症状・病態・部位を考慮して,手術アプローチや切除範囲の決定などに役立てることができる.
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