Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
鼻腔,または副鼻腔原発の悪性腫瘍(sinonasalcarcinoma)は全悪性腫瘍のうち,1%にも満たない非常に稀な腫瘍である3).Sinonasal carcinomaの初期症状としては鼻水,頭痛,嘔気などの風邪様症状や,疼痛,鼻出血というような症状が多い3).またsinonasal carcinomaのうち,約60%はsqua-mous cell carcinoma(SCC)であるといわれている.SCC以外には,腺癌,肉腫,神経芽腫,未分化癌などが含まれ,特に未分化癌(sinonasal un-differentiated carcinoma;SNUC)は非常に予後不良な疾患であり,しばしば頭蓋内,もしくは眼窩内へ浸潤し,時には遠隔転移も伴うことが知られている5).SNUCが初めて認識され,また1つの疾患として捉えられたのは1986年のことである16).現在のところ,標準的な治療法はないが,外科的切除,化学療法8,14),放射線照射を組み合わせた集学的な治療が適していると考えられている14).しかし,集学的治療を施行しても,平均生存期間は1年にも満たず,非常に予後不良な疾患である14).このため以前は施行されていなかったが,近年,脳浸潤しているものに対しては放射線照射や化学療法に反応を示すものに対して手術がなされるようになってきている.
We report a case of a 66-year-old male with diffuse infiltration of neoplasm from the paranasal sinuses to the orbit and left cerebral hemisphere, associated with prominent edema.
Initial complaints were headache and swelling of the forehead, which were followed by progressive symptoms, such as epistaxis, dacryops, and severe pains. Neuroimaging showed marked invasion of a neoplasm from the left par-anasal sinuses into the intracranial space and to the frontal skull.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.