読者からの手紙
Trans-radial approachでの脳血管造影における,バルサルバ洞内反転法の工夫
須賀 俊博
1,4
,
木下 弘志
2
,
佐藤 昇一
2
,
須田 良孝
3
1釜石市民病院脳神経外科
2釜石市民病院内科
3由利組合総合病院脳神経外科
4本荘第一病院脳神経外科
pp.907
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902262
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当院においてカテーテルによる脳血管造影では,救急例やIVR例を除いて,4Fカテーテルによるright trans-radial approachを第一選択としている.そのカテーテル挿入手技であるが,従来は,シモンズ型カテーテルをguide wireに沿って上行大動脈や大動脈弓へ導き,そこでカテーテルに回転を加えてシモンズ型の形状に戻し,選択的挿入を行っていた1).しかし実際には,なかなか思うようにカテーテルがスムーズに回転しない場合が多く,シモンズ型の形状の再現に時間を要し,手技上困難を感じることが少なくなく,時には血管造影を断念せざるを得なかった.
今回われわれは,カテーテルをバルサルバ洞内で反転させて,シモンズ型の形状に戻す方法を考案した.バルサルバ洞内反転法をFig.1に示す.まずguide wireを上行大動脈に下降させて,バルサルバ洞内に導き,さらに大動脈弁方向に進め,さらにguide wireを進めるとguide wireが反転してくる.十分guide wireが反転して,さらにguide wireを進めたところでシモンズ型カテーテルを進めると,guide wireに沿ってカテーテルが反転して,容易にシモンズ型カテーテルの形状が再現できる,Guide wireを途中まで抜いて,シモンズ型の形状を保ったまま引いてきて,総頸動脈に選択的に挿入する.
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