Japanese
English
総説
神経内視鏡手術の現況と展望
Neuroendoscopic Surgery—Present and Future
上川 秀士
1
,
瀧本 洋司
2
Shuji KAMIKAWA
1
,
Hiroshi TAKIMOIO
2
1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
2大阪脳神経外科病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Neurological Institute, Tokyo Women's Medical University
2Department of Neurosurgery, Osaka Neurological Institute
キーワード:
neuroendoscopy
,
ventriculofiberscope
,
neuroendoscopic surgery
,
endoscopic discectomy
,
endoscopic sympathectomy
,
endoscope-assisted microneurosurgery
Keyword:
neuroendoscopy
,
ventriculofiberscope
,
neuroendoscopic surgery
,
endoscopic discectomy
,
endoscopic sympathectomy
,
endoscope-assisted microneurosurgery
pp.253-272
発行日 2002年3月10日
Published Date 2002/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902180
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Ⅰ.はじめに
20世紀初頭に始まった神経内視鏡手術3)(Fig.1)は1990年代に優れた脳室ファイバースコープが相次いで開発されるとともに15,40),広く注目されるようになった.低侵襲医療の概念はギリシャ・ローマ時代からすでにあったとされる.約2000年前の紀元79年のベスビオ火山の大噴火の際に,火山灰に埋もれた古代ローマの都市ポンペイの遺跡から肛門鏡・子宮鏡の原型と思われるものが発見されたのである.したがって内視鏡は約2000年もの歴史があることになる.
21世紀に入った現在,内視鏡手術は内科,外科,整形外科,耳鼻咽喉科などの領域のみならず脳神経外科領域においてもに一般化しており,広く行われ始めてきた.1994年に発足した日本神経内視鏡研究会もこれまで8回を数え,本年より「学会」に昇格した(Table 1).これまで保険点数としては認められず,まだまだこの分野はマニアックな世界と思われている向きもあったが,本年の診療報酬改正に伴いようやく認められることになった.この時期に神経内視鏡手術の現況を整理し展望を述べることは時宜を得たことと思われる.
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