Japanese
English
総説
無症候性脳動脈瘤—その対応と問題点
Asymptomatic cerebral aneurysms:managements and controversies
齋藤 勇
1
Isamu SAITOH
1
1杏林大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
asymptomatic cerebral aneurysm
,
incidence
,
rate of rupture
,
managements
,
controversies
Keyword:
asymptomatic cerebral aneurysm
,
incidence
,
rate of rupture
,
managements
,
controversies
pp.875-884
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901278
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I.はじめに
最近の脳の人間ドック,いわゆる“脳ドック”の普及により無症候性脳血管疾患が極めて高頻度に発見されるようになり,その対応が問題になっている.外傷性疾患を除けば,あらゆる疾患は無症候性の時期があり,その大きさの増大,血管の破綻や閉塞に至って初めて症候性となり診断と治療が始められる.しかるに,疾患が無症候性のうちに早期発見を目指すのが人間ドックであり,MRIの普及に伴い脳疾患においても,無症候性のうちに脳動脈瘤を発見する試みが盛んになったわけである.最近の脳血管障害の分類でも,Table 1の如く,無症候性脳血管障害という疾患単位が独立し記載されるに至っている57).
無症候性脳血管疾患は,Table 2に示すように,1.出血を起こす可能性のある,A.脳動脈瘤,B.脳動静脈奇形その他の血管奇形,2.脳血管の閉塞性変化で脳虚血を惹き起こす可能性のある,A.頸部頸動脈の狭窄—閉塞,B.脳白質の梗塞性病変,3.その他,に分類される.
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