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本年4月7日に出された新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言は,連休が終了した後も5月末までの延長が決定しました.5月末に緊急事態宣言は解除されたものの,第二波・第三波に対するより一層の注意が必要です.本学では,脳神経外科予定手術がすべて中止になりましたが,多くの施設でも予定手術の制限・縮小により,脳神経外科通常業務に多くの支障が生じています.脳神経外科専門医試験受験生にとっては,7月末に予定されていた専門医試験が11,12月に延期になったことで,心理的な負担が増えたのではないかと心配しています.
不要不急の外出を避けていると,自然と本と向き合う時間が増えるのではないでしょうか.逆に,この時期だからこそ『脳神経外科』をじっくり読む機会ができたと前向きに考えることもできます.本号の扉では,柴田靖先生が「脳神経外科医が頭痛診療に取り組むべき10の理由」を簡潔かつ明瞭に解説してくださいました.「脳神経外科医こそ頭痛診療に取り組むべきだ」という先生の熱いメッセージをひしひしと感じることができます.総説では,岸田悠吾先生らが内視鏡を用いた新たな手術アプローチ法として,髄膜腫に対する内視鏡鍵穴手術——特に高齢者手術において脳を空気に触れさせないこと——の重要性を丁寧に解説してくださっています.若手脳神経外科医にとって,内視鏡手術はぜひ習得すべき技術であり,本手術の今後の発展が期待できる総説です.さらに,「脳神経外科診療に役立つ薬物療法の知識」では十河正弥先生・松本理器先生が抗てんかん薬の使い方について,また,連載「脳神経外科と数理学」では白井雄也先生・岡田随象先生が脳神経外科領域におけるゲノムワイド関連解析を紹介しています.脳神経外科の臨床・研究において,非常に役立つ連載です.
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