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編集後記
前原 健寿
pp.1016
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204064
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今年も猛暑の夏となりました.いくつかの地域で最高気温40度超えが記録されています.ここ数年の夏は,本当に日本なのかというくらい過酷な夏になってしまい,この変化についていくことは容易なことではありません.しかしダーウィンによると,「生き残る種とは,最も強いものでもなく知的なものでもなく,変化に最もよく適応したものである」とされています.日々,過酷な状況に遭遇している脳神経外科医にとっては,この暑さも克服すべき課題の1つかもしれません.
猛暑のため,落ち着いて論文を読む時間はますます減少しているとは思いますが,今回も『脳神経外科』には,研究論文2編,症例報告5編,テクニカルノート1編の優れた論文が掲載されています.また,今月号の扉は佐々木達也先生の「術中モニタリングの一考察」です.先生のライフワークの1つである術中モニタリングの論文数は日本が最も多いこと,さらに,今後も日本が世界をリードしていくであろうことなど,われわれを大いに勇気づけてくれる一言です.総説では,秋山武紀先生に頭蓋内硬膜動静脈瘻の診断と治療について,病態から詳しく解説していただきました.硬膜動静脈瘻の病態理解のためには,病理組織像および分子レベルでの特徴と,臨床症状に関する流出静脈の形態・静脈高血圧に関する側面を並行して考える必要があるということをわかりやすく提示していただきました.
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