Japanese
English
総説
グリオーマ血管新生,浸潤に対する分子標的薬
Molecular-Targeted Drug Therapy for Glioma Angiogenesis and Invasion
黒住 和彦
1
,
伊達 勲
1
Kazuhiko KUROZUMI
1
,
Isao DATE
1
1岡山大学大学院脳神経外科
1Department of Neurological Surgery, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences
キーワード:
glioma
,
angiogenesis
,
invasion
,
molecular-targeted drug
Keyword:
glioma
,
angiogenesis
,
invasion
,
molecular-targeted drug
pp.691-701
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203103
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Ⅰ.はじめに
グリオーマは原発性脳腫瘍の約30%を占めるが,診断と治療の医療技術が進歩しているにもかかわらず,未だ十分な治療成績が得られていない40).近年,アルキル化剤であるtemozolomide(TMZ)により,全生存期間の延長効果が認められているが,手術,放射線療法,化学療法を併用しても極めて予後不良の腫瘍である.その理由としては,グリオーマの早期増大,進展,治療抵抗性獲得,腫瘍血管新生や腫瘍浸潤が関与している.
最近ではさまざまな分子標的薬が開発されている.その代表格である抗血管新生薬のうち,抗vascular endothelial growth factor(VEGF)モノクローナル抗体のbevacizumabは無再発生存期間の延長効果が認められてはいるが15,16,60),全生存期間の延長効果は得られておらず,グリオーマに対する効果的な分子標的薬は開発途上であるともいえる.本稿では,グリオーマの血管新生,腫瘍浸潤に関する標的分子,新規分子標的薬と臨床試験について概説する.
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