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編集後記
岡田 芳和
pp.280
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203007
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41年間の医師としての区切りを本年3月の定年退官で迎える時期に筆を執っています.振り返ればあっという間であり,さまざまなことが思い出される長い時間にも感じられます.時間の都合がつく年となるものと思い込み,6月には妻と久しぶりの海外旅行を予定していましたが,「人間万事塞翁が馬」のたとえのようで思わぬ役目が残り,今しばらく大学での生活が続きそうです.本号の扉には飯原弘二教授よりリーダーシップと題して私共のさまざまな業務や研究のなかで最も必要とされる点を指摘していただいています.ある新聞に,日本は世界の頭脳循環から取り残されつつあり,今評価されているノーベル賞級の仕事は20世紀のものであり,人材育成のあり方を指摘した記事が目に飛び込みました.脳神経外科領域の皆様が多分野の方々とコミュニケーションを図り,世界に発信できる科学技術,医療技術を推進されることを切に願っています.
総説では,大きな発展がみられている小児脳腫瘍の化学療法に関して柳澤隆昭教授に手術,放射線治療などを含めた最新知識の報告をいただいています.小濱みさき先生からは実地臨床で注目され,急速に普及している新規抗凝固薬と脳内出血の臨床像の検討による研究論文をいただいています.川原一郎先生からは極小破裂中大脳動脈瘤に関する実地臨床で留意すべき報告をいただいています.さらに連載欄では伊藤康男先生に脳卒中専門医に必要な基本的知識として脳静脈洞血栓症を解説していただいています.症例報告には直ちに役立つ情報が満載されています.
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