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編集後記
岡田 芳和
pp.658
発行日 2013年7月10日
Published Date 2013/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436102047
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「若い時の苦労は買ってでもやっておけ」ということは,昔からの人生訓で聞かされた言葉だと思います.本号の扉では鈴木秀謙教授より「研究のすすめ」と題して“いやだなあ…と思いながら始めたことを続けた結果,自分だけが味わえる最大の幸せの源となる人生”を熱く語っていただいています.佐々木富男先生からはSteiner先生の追悼文をいただいています.自分の信念を貫くことから偉大な業績を残されたSteiner先生の人生を一読いただきたいと思います.総説では「Grade Ⅱ神経膠腫のエビデンスと治療」と題して成田善孝先生に多方面からの研究をまとめていただきました.研究論文では,脳底動脈窓形成部動脈瘤と脊椎脊髄手術での感染症という難渋する病状について,それぞれ伊丹尚多先生と関 俊隆先生に深く検討いただいております.連載では,脳神経血管内治療医に必要な知識として腫瘍性病変に対する治療に関して中村 元先生から精力的な報告をいただいております.血管内治療医のみでなく,腫瘍性病変の治療にあたる全員に重要な,共有すべき情報と思われます.症例報告では明日からの実地臨床に直ちに役立つ情報が満載されております.
ところで私ごとですが,今年のゴールデンウィークに岩手県宮古市を訪れる機会があり,“万里の長城”といわれる世界一の防波堤で守られていた田老地区の3.11後の状況を自分の目で確かめることができました.最も安全な地区として住民の信頼を得ていた町はまったくの更地となっていました.このような悲惨な災害に解決の糸口があるのかと思うと同時に,復興への歩みを始められた方々を応援したいと実感致しました.
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