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I.はじめに
癌化学療法の進展に伴い,多くの抗癌剤が開発されているが,癌細胞のみに効果を発揮し,正常細胞には影響を及ぼさない理想的な抗癌剤はいまだ存在しない.抗癌剤の感受性は,癌発生臓器により一定の傾向を示すことが知られている.一方,germ cell tumorに対するPVB療法のように,化学療法の効果が予測可能な腫瘍の組織型は限局されているとともに,大多数の腫瘍に対する抗癌剤および併用化学療法の有効率は極めて低いのが現状である.この点に関しては脳腫瘍も例外ではなく,有効な抗癌剤と効果のない抗癌剤の種類を投与前に明確にすることは極めて重要である.
脳腫瘍に対する薬剤感受性テストとしては,C6などのラットglioma cellをラット頭蓋内に移植したモデルや,ヒトグリオーマを皮下に移植したヌードマウスなどが多用されている.今回われわれは孵化鶏卵漿尿膜に腫瘍を移植する方法9)に注目し,従来の方法に若干の工夫を加えることにより,本法の脳腫瘍薬剤感受性テストとしての有用性を検討した.
In case of chemotherapy against brain tumors, it is most important to choose suitable drugs for brain tumors, since human tumors have different drug sensi-tivity and growth. Heretofore, the nitrosourea-induced rat glioma cell, such as C6, or immunodeficient mice were usually used for predicting the drug sensitivity of brain tumors. We took notice of Murphy's system for the chemosensitivity test, in which a human tumor is transplanted into the chorioallantoic membrane ( CAM) of a chick embryo.
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