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I.緒言
頭部外傷に虹る脳損傷は,第一に,受傷時に生しる機械的作用による組織学的破壊を伴う損傷であり,その程度は作用する物理的エネルギーによって決定され,治療の対象となりにくい.しかし,この障害を免れた脳組織も,やがて引き起こされる一連の二次的細胞障害反応により損傷され,より広範な障害を被ることになる.この反応をいかに少なく抑えるかに外傷治療の主眼が置かれているのであるが,いまだ決め手となる治療法は確立されていない,外傷による二次的細胞障害反応として,血管障害を介しての虚血性障害,その原因ともなり得る細胞膜障害,特にarachidonate metabolismの一連の反応,脳浮腫などが考えられている9,12).しかし,これらの反応の起こる前に,外傷直後より,脳細胞内外のでオン・バランスの変化が起こっていることが知られている.ことに,カリウム・イオンの細胞外への流出は著明で,この細胞外カリウムの上昇により神経細胞やグリア細胞の生理学的諸反応が障害きれることが報告されている3,4,11,12).われわれが今回用いたマウス頭部外傷性意識障害モデルにおいても,細胞外カリウム上昇が痙攣発生およびマウス死亡と密接に関連していることは,すでに報告した19).外傷直後より生じるでオン・バランスのもう1つの変化として,最近,カルシウム・イオンの細胞内流入が重視されるようになってきた.
It has been known that various derangements in ionic homeostasis develop following neural trauma.In particular. potassium efflux out of and calcium influx into the cells are thought to play important roles in causing cell damage. Concomitantly we have previously reported that increased extracellular potassium per se provoked by head injury induces convulsive seizure such that the sustained high ex-tracellular potassium leads to animal death. The purpose of the present study was further to examine the beneficial effect of drugs which could inhibit such detrimental on movements in experimental head injury.
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