扉
打撃の心
和賀 志郎
1
1三重大学脳神経外科
pp.5-6
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201768
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「扉」は読む側になると大変楽しい読み物であるが,書く側に廻ると大変な難物である.7巻11号(1979)に「守備の心」を書いたところ大変不評であったらしい.ようやく代打,代走も種切れとみえ,また出番が廻ってきた.今度は「打撃の心」でいこう.題は簡単に決ったが,その後が続かない.折からの緊縮財政によって教官居住区域には冷房を行わないという悪条件下にある.暑い頭ではよい知恵も浮ぶまい.
とにかく「守備の心」は誤解も招いたらしい.あれを読むと「打撃の人」はお前だけで,あとの人は皆「守備の人」と読めるなどと講釈する人が現れた.それは「読み過ぎ」というものである.昔の人も言っている,過ぎたるはなお及ばざるがごとし,と.広岡達朗先達が言う如く,守備は練習さえすれば,少なくとも9割の守備率を達成できる.平均的能力とか標準というものがあるとすれば,「守備の心」は臨床家にとって不可欠であろう,ということを言いたかったのである.
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