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I.はじめに
破裂脳動脈瘤患者に脳血管撮影を施行し,X線的に造影剤の血管外漏出(Extravasation以下EVと略す)を認めたという報告は,Jenkinsonら19)(1954年)の最初の報告以来,少なくはない.著者らの渉猟しえた限りでは,文献または学会での報告例は77例であるが1,2,4,6,7,9-11,13,14,16-28,30-32,34,36-49),くも膜下出血患者に対し,発症後比較的早期に積極的に血管撮影が施行されるようになった今日,このようなEVを認める脳動脈瘤症例は報告された以外にも,かなりの数にのぼると思われる.また,このような症例の血管撮影上の所見は,脳動脈瘤破裂後の出血の進展様式や持続時間,脳循環動態等を示唆するものとして興味がもたれる.
著者らは第一線の救急病院として急性期脳卒中患者に遭遇する機会が多く,発症後早期に脳動脈瘤患者に血管撮影を施行してきたが,X線的にEVを認めた症例は劇症型破裂動脈瘤が大部分であり,それらは血管撮影の合併症ではなく,破裂後ひきつづき起こっている動脈瘤からの出血が,血管撮影時にたまたま写し出されるのではないかとの印象をもっていた.
Eleven cases of contrast medium extravasation from ruptured intracranial aneurysms during cerebral angiography are reported.
All of them had angiography within 5 hours after aneurysmal rupture; ten of them were comatose, one was stuporous. Only two cases survived among four cases operated upon urgently. Nine died; two surgically treated and seven conservatively treated.
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