扉
"叱る"
最上 平太郎
1
1大阪大学医学部脳神経外科
pp.597-598
発行日 1980年7月10日
Published Date 1980/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201172
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叱るということは極めて難しいことである.これは私の恩師岩永先生,久留先生また陣内先生もおっしゃっていたことである,私もまたそう感じている.
戦前の教育を受けた者にとっては先生が一番偉くてこわかったものである.特に小学校1年生に入学した頃など先生というと絶対的な存在であった.中学に進むとやや生意気になって内心先生に多少軽蔑の念をもったりしたものであるが,それでも理窟ぬきにこわかったものである.高校,大学時代となると先生に対する感じ方もかなり変わってくる.大学を卒業して外科の教室に入局した当初の新入医員時代には,医局長,筆頭助手の先輩ともなると,これまでとは違ったこわさがあり,いわんや教授ともなると推して知るべしである.
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