扉
"道"—と題するエッセイ
内海 庄三郎
1
1奈良県立医科大学脳神経外科
pp.109-110
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201104
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インカ文明よりもまだ古いアンデス文明の遺跡を求めて,アンデスの山並をキャラバンが行く.まだホヤホヤのNHKのTV番組の1コマです.古い文明,滅亡した文明,その遺産の遺跡.果たして見つかるのか,何がみっかるのか,どのような古代人の営みの跡がみつかるのか,静かな興奮を覚えながら画面を追う,見事な石の文明の跡が4000mの高地に3つ,4つと見いだされていく.しかし,この遺跡だけでなく,メソポタミヤ,ペルシャなどなど,どうしてこんな人の住めない所,住みにくい所に古代の文明の跡が見つかるのだろう.だから亡びる文明だったのだろうか.
亡び去った古い文明に人々がどうしてこう心を惹かれるのだろう.心の中の何が反応しているのだろう.滅びたものへの哀惜か,驚嘆か,知りたい欲か,空しさへの共感か?
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