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脳動脈瘤の誘発
Experimental Inducement of Saccular Cerebral Aneuryms in Rats
橋本 信夫
1
,
半田 肇
1
,
永川 泉
1
,
挾間 章忠
2
Nobuo HASHIMOTO
1
,
Hajime HADNA
1
,
lzumi NAGATA
1
,
Fumitada HAZAMA
2
1京都大学脳神経外科
2滋賀医科大学病理
1Department of Neurosurgery, Faculty of Medicine, Kyoto University
2Department of Pathology, Shiga University of Medical Science
キーワード:
Experimental cerebral aneurysm
,
Hypertension
,
β-aminopropionitrile
,
Carotid ligation
Keyword:
Experimental cerebral aneurysm
,
Hypertension
,
β-aminopropionitrile
,
Carotid ligation
pp.31-34
発行日 1980年1月10日
Published Date 1980/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201093
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Ⅰ.はじめに
脳動脈瘤に関する基礎的研究,あるいは根治手術以外の治療法の効果に関する研究は脳動脈瘤の解剖学的,病態生理学的特殊性から多くの制約をうけてきた.すなわち,脳動脈瘤の発生からその終焉に至る経時的観察はほとんど不可能であり,標本採取もautopsyを除けば極めて限られている.さらにヒト以外の動物における脳動脈瘤はきわめて稀とされており,明らかな嚢状脳動脈瘤としては,チンパンジーの数例が報告されているにすぎない1,14).したがって根治手術の術式がほぼ確立された現在においても脳動脈瘤のetiology,増大から破裂,血栓化に至る機序に不明な点が多い.ここに適当な動物モデルの必要性が痛感され,事実多くの試みがなされてきた.
実験モデルの作製の試みはその着想から2つに大別できる.第Ⅰは,動脈壁自体に直接損傷を加えたり,あるいは外科的に"aneurysm"を作製して局所の動脈瘤様膨隆を企てるものである.これらからは形態的な類似性が期待できるにすぎない.第Ⅱは,動物に何らかの処置を加えることにより,操作と別の部位に動脈瘤を誘発しようとする試みである.
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