扉
歴史的なこと
古和田 正悦
1
1秋田大学脳神経外科
pp.415-416
発行日 1979年5月10日
Published Date 1979/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200975
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新学期が始まりますと,総論の講義に先立って,教壇に立つ身には,脳神経外科の歴史的な事柄を,多少とも喋ることになります.Peruvian Mochican Ceramicで始まるのは良いのですが,いつもHarvey Cushingの略伝らしき内容でお茶をにごす破目となります,近代外科学の足跡に相応して,脳神経外科学の発展を史的に意義づけるのには,あまりにも不勉強で,歴史を語る年齢ではないと言訳をしながらも,史的劣等感をあじわうのは,毎年桜の花の咲く頃です.
1936年頃,わが国における脳神経外科学のパイオニアである,今ではもう故人の高名な教授の方々が,留学に際して,Cushing, DandyやTonnisといった人達に接して見聞したことが語り伝えられております.近代脳神経外科学の発展に偉大な業績を残された先人であれば,ある程に,その人柄や背景となる事象に興味をそそられますし,伝聞や随想の域を脱した脳神経外科学の歴史書があればと,かねがね思っておりました.
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