Japanese
English
研究と報告
質問紙法によるてんかん患者の性格評価—側頭葉てんかんとその他のてんかんとの比較
Personality Assessment in Epileptics Employing Bear and Fedio's Questionnaire: Temporal lobe epileptics vs. epileptics of other types
土井 永史
1
,
丹羽 真一
2
,
安西 信雄
2
,
亀山 知道
2
,
斎藤 治
2
,
増井 寛治
2
Nagafumi Doi
1
,
Shin-Ichi Niwa
2
,
Nobuo Anzai
2
,
Tomomichi Kameyama
2
,
Osamu Saitoh
2
,
Kanji Masui
2
1都立松沢病院
2東京大学医学部精神医学教室
1Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
Epilepsy
,
Interictal manifestation
,
Limbic system
,
Personality inventory
,
Temporal lobe epilepsy
Keyword:
Epilepsy
,
Interictal manifestation
,
Limbic system
,
Personality inventory
,
Temporal lobe epilepsy
pp.1281-1290
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203864
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抄録 側頭葉てんかん患者群とその他のてんかん患者群を対象に,BearとFedioの質問紙法を用いて,両群の性格特徴を比較検討した。また,各性格特徴と発作持続期間の相関を調べ,次の結果を得た。
(1)側頭葉てんかん患者はその他のてんかん患者に比べて,外界に対する過剰な反応性を示したが,精神内界への批判が弱くそのことを自覚しない傾向が認められた。
(2)その他のてんかん患者は,精神内界に敏感で,意志・決断力の弱さを強く自覚していた。
(3)側頭葉てんかんに関連する性格特徴の中にも,「外界に対する過剰な反応性」のように,側頭葉内に発作波焦点が存在することにより顕在化するものと,「多書」,「粘着傾向」のように発作の年余にわたる持続で徐々に目立ってくるものの2つがあり,これらにはそれぞれ異なる発現機序が関与することが示唆された。
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