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Ⅰ.はじめに
特発性舌咽神経痛の治療としては,保存的療法としてDiphenylhydantionやTegretolなどの抗痙攣剤の投与が奏効するとされ18,20,29),最初に試みるべき治療法であるが,これらで奏効しないものや副作用が耐えがたいものは,当然,他の治療法が考慮されねばならない.局麻剤によるブロックは,効果が短かく永続的治癒が望めず,むしろ診断的価値の方が高い3,33,37,38),またアルコールなどによるブロックは技術的にむずかしく,かつ副損傷を引き起こしやすいという難点がある25).手術的療法としては,頭蓋内または頭蓋外での舌咽神経の切断術が施行されている15,16,21,30).頭蓋内と頭蓋外での切断を比較すると,神経の同定が容易である点と効果が確実で再発が少ないという点では,頭蓋内での切断が優っているように思われる17,24,25,30,36).
しかし,頭蓋内の舌咽神経切断の場合でも舌咽神経単独の切断では治療効果が確実でないものや,再発することが多いこと,また舌咽神経痛の病態生理の解明にともなって,舌咽神経以外に迷走神経の関与が重要であることが明らかにされてきた.
A 74-year-old female who complained of severe attacks of pain in the throat and neck on the left side was first admitted to our hospital in 1971. Carbamazepine was effective at this time, and so she could be discharged. She was readmitted to the hospital in 1974 because of severe stabbing paroxysms of pain in the left throat, radiating into the auricular region as frequent as more than ten times a day.
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