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破裂脳動脈瘤の根治手術の要点は,動脈瘤の柄部を確実に処理することである.そのためには,術中,流入動脈を一時的に遮断し,動脈瘤にかかる血圧を減少させ,柄部の剥離を容易にし,さらに,予期せざる破裂の場合には,流出動脈をも一時遮断し,完全なdry fieldとして動脈瘤の処理をすることが必要となる.しかし,常温下の全脳血上流遮断の許容時間は,約5分であり1,3,9,10),このため常温下では,血流遮断による脳損傷を恐れ,流脈の遮断を行わずに,動脈瘤を処理することが,今までの手入動術の常識であった.そして,一時遮断を行う際は,その許容時間を延長させる目的で,低体温麻酔法が広く用いられてきた2,15,21,23),低体温麻酔は,冷却,加温に長時間を要し,熟達した麻酔医による細心の管理が必要であり,かつ合併症を伴う危険性もあるが12),脳血流遮断の許容時間を延長させる方法としては,唯一のものであり,我々も十分の注意のもとに愛用してきた23).その後,あるaccidentにヒントを得て,常温平常血圧下における,脳主幹動脈の一時遮断につき検討した結果,遮断前でのmannitolの投与が,遮断許容時間の延長に有効であることが確認されている.本論文では,常温平常血圧下,mannitol前投与により,流入動脈の一時遮断を行い直接手術を施行した,181例の脳動脈瘤症例を基礎資料とし,脳主幹動脈の一時遮断の許容時間について検討し,あわせて,手術成績,追跡調査について,報告する.
The permissible occlusion time of brain arteries and surgical results were discussed, based on 181 aneurysm cases, which received definitive aneurysm surgery by utilizing temporary clipping of brain arteries, preoperative mannitol administration and under normothermic, normotensive condition.
1) In order to analyze the influence of artery occlusion under mannitol administration, the causes of sequelae and deaths were examined together with the follow up studies which were taken from 6 months to 6 years and 4 months postoperatively in all cases.
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